高松港からフェリーに乗り、香川県の小豆島で醤油を作られている創業150年のヤマロク醤油さんを訪問しました。


ヤマロク醤油さん(1)


ヤマロク醤油さん(2)


ヤマロク醤油さん(4)

 
ヤマロク醤油さん(5)
 
 
ヤマロク醤油さんの蔵は100年以上前(明治初期)に建てられた蔵で、国の登録有形文化財に指定されています。


ヤマロク醤油さん(6)


ものすごい迫力。


ヤマロク醤油さん(8)


山本康夫社長に取材をさせていただきました。


ヤマロク醤油さんには、62個の木桶があります。

年間生産量は、7万リットル。


木樽、そして無添加で醤油を作られています。

なお、木樽で作られた醤油は、全体の1%未満。
そのうちの半分が、小豆島なんだそうです。
オリーブも有名なのですが、醤油の町でもあるのです。 


杉と竹で木樽を作っているのは日本のみの文化です。

現在、木樽で作られている発酵調味料には、醤油、味噌、酢、酒があるそうです。
みりんは、現在0件。


木樽を作っているのは、現在日本で1社のみ。

この会社も2020年に廃業の予定だそうです。

なお、この木樽屋さんに樽を発注したのは、戦後、ヤマロク醤油さんのみだそう。


ヤマロク醤油さん(10)

(中央の新しい樽)
 

和食の基本を作り上げてきたこの木樽を失ってはいけないと、山本さんは、自身が発注した木樽の注文の際、この木樽屋さんから作り方を教わり、実際に1本作られています。

今後、木樽作りにも取り組んでいきたいということ。

つまり木樽仕込みの発酵調味料は、絶滅危機なのです。


ヤマロク醤油さん(11)


 ヤマロク醤油さん(12)


ヤマロク醤油さん (13)



また、和食が減っている要因として、こんなことも教えていただきました。

現在、10人の方が新たに料理人になる時には

 5人:パティシエ
 4人:フレンチ、中華、イタリアン
 1人:和食

という割合だそうです。
和食は下積みが長く、目指す人が少ないんだとか。


◆醤油は5種

「こいくち」「うすくち」「たまり」「さいしこみ(再仕込み)」「しろ」の5つの種類がありますが、このうち、97%くらいが「こいくち」「うすくち」だそうです。

ヤマロク醤油さんでは、「さいしこみ」と「こいくち」の2種を作られています。

醤油の種類の違いは、使う原料(大豆と小麦)の割合なんだとか。

◇たまり : 大豆 多 小麦 少
◇濃口 : 大豆 小麦 同量
◇うすくち : 大豆 やや少 小麦 やや多
◇しろ : 大豆 少 小麦 多

◇さいしこみ :
麹を樽に仕込む際、通常は塩水を合わせるところ、ほぼ同じ塩分濃度の醤油を合わせて仕込んで作られる醤油。
醤油を2度醸造するような製法をとるため「再仕込み」しょうゆと呼ばれます。
国内生産量は全体の約1%の希少な醤油です。

なお、旨味の4分の3は大豆、4分の1が小麦から作られるのだそうです。


◆地域によって醤油の味が違うのはなぜ?

もともと醤油屋さんが地域ごとにあり、地域ごとの菌(酵母菌や乳酸菌)が味の基礎を作っていました。
菌が味を作るため、醤油の味が地域によって違うというのがもともとの違い。


ヤマロク醤油さん (9)


ヤマロク醤油さんの蔵には、150種類くらいの菌が住んでいるようです。


しかし、残念なことに現在の地域の醤油の味の違いは添加物の違いなんだとか。

アミノ酸液と甘味料を添加して作られている醤油ではなく、大豆、小麦、塩のみの醤油をいただきたいものですね。


ヤマロク醤油さん(14)


貴重な醤油を試食。

『やさしい!』

『そして深い!』

これまでに味わったことのない味わいでした。

これが、本物なのですね。


ヤマロク醤油さん(15)


◇左:鶴醤(つるびしお) 再仕込み醤油
◇右:菊醤(きくびしお)    こいくち

毎日使うものだからこそ、本物を使いたいものですね。


ヤマロク醤油さん(17)


こんな記念撮影も!

本当に大きな樽ですね。


ヤマロク醤油さん(18)
 

とても貴重なお話を伺うことができました。
取材にご協力をいただきました山本社長、どうもありがとうございました。


★ヤマロク醤油株式会社
〒761-4411 香川県小豆郡小豆島町安田甲1607
TEL:0879-82-0666