全国的にみりんで有名な三河みりん「(株)角谷文治郎商店様」を訪問させていただきました。


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愛知県東部の三河地方は、醸造に適した水と温暖な気候に恵まれ、200余年の昔から、みりんの醸造が盛んに行われてきました。 
現在でも、みりん業者数全国一を誇るみりん造りの本場です。


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取材には、角谷利夫社長、角谷文子様にご対応いただきました。


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◆みりんの起源

元来は飲用であり、江戸期に清酒が一般的になる以前は甘みのある高級酒として飲まれていました。

味淋のそもそもの起源に関しては諸説あります。

ひとつには中国に実際存在した密淋(ミイリン)という甘い酒が、戦国時代ごろ伝来したというもの。
現在でも浙江省に蜜酒という直糖分 20%以上の酒があり、紹興酒の酒母を「淋飯酒」という。
「淋」は、したたるの意。

別の説では、日本に古くから存在した練酒、白酒などの甘い酒に腐敗防止策として焼酎が加えられたというもの。


◆みりんの種類

◇本みりん


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≪原料のもち米が蒸しあがりました≫

 
 伝統的な本来のみりんです。
 本格焼酎に蒸したもち米と米麹を加えて仕込み、じっくり熟成させて造られます。
 アルコール分を14%含む酒類。
 焼酎を使うことでゆっくり発酵させることができます。
 米のでんぶん、たんぱくをしっかり発酵させることができます。
 約2年間、熟成させてみりんを仕上げていきます。


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※一般的な工業的製法の本みりん
 戦後から行われるようになった工業的な製法です。
 加圧蒸煮や高温液化などの処理を施して、短期間ででんぷんやたんぱくの利用率を増します。
 米焼酎ではなく、ホワイトリカーなどの甲類焼酎を用います。
 醸造・熟成期間は40日から60日ほどです。

◇みりん風調味料
 酒税のかからない1%未満のアルコールに、みりんの風味に似せてうま味調味料や水飴等の糖分その他を加えたもの。
 開栓後は外部から酸素や雑菌が混入し、酸化・腐敗しやすくなるので、冷暗所に保管し、なるべく早く使い切る必要がある。

◇発酵調味料
 5~14%程度のアルコールを含みますが、不可飲処理(1.5%以上の食塩を加えるなど)しているため飲用と扱われず、酒税のかからないもの。
 みりんタイプ調味料、醸造調味料とも呼ばれています。
 食塩を加えたものは特に、加塩みりんとも称する。


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◆角谷文治郎商店様のこだわり

◇米一升、みりん一升
 酒税法では、本みりんの定義として、米一升から、出来上がるみりんが5升以内という取り決めがあります。
 しかし、角谷文治郎商店様は、たっぷりのお米を使い、一升のお米から2年かけて、一升のみりんを作られています。
 米を贅沢に使用しているため、一般的な本みりんに比べ、色が濃いことが特徴です。


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◇国産米のみを使用
 現在は、一般のみりんは、4分の3が海外産のお米を使用していますが、角谷文治郎商店様は、国産米100%。
 指定された産地のものだけを使用しています。


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◇原料の焼酎も自社で生産
 自家精米したお米から焼酎も自社で生産されています。

 
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◇左:三州三河みりん
◇右:有機三州味醂


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こだわりのみりんを試飲させていただきました。

『香り豊かなブランデーみたいなお酒ですね!』

お酒が弱いため、たくさんは飲めませんが、お酒好きな方には、とても美味しいお酒だと思いました。


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◇左:三州梅酒10
◇右:三州梅酒


こちらは、みりんに青梅を漬けて作られた梅酒です。

みりんにしっかり甘さがあるため、砂糖は不使用。

一般的な梅酒には、大量の砂糖が使われていますが、砂糖不使用は嬉しいですよね。

とても飲みやすく、美味しかったです。


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とても貴重なお話を伺うことができました。
取材にご協力をいただきました角谷社長、角谷様どうもありがとうございました。


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≪米一升とみりん一升で記念撮影!≫


★株式会社角谷文治郎商店
〒447-0843 愛知県碧南市西浜町6-3
TEL:0566-41-0748